【書評】『君がオヤジになる前に』堀江貴文著　〜思考停止状態にならないために

３８歳は「オヤジ」でしょうか？

当書は３８歳の堀江貴文さんが書いた本です。
堀江さんは３８歳というのは、いわゆる「オヤジ」まっただなかの年齢だと言っています。

作者: 堀江貴文,福本伸行
出版社/メーカー: 徳間書店
発売日: 2010/10/29
メディア: 単行本（ソフトカバー）
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「オヤジ」とは

堀江貴文さんが定義する「オヤジ」とは年齢的なものではなく、精神的なものです。

僕が本書で定義する、「オヤジ」とは年齢的なものではない。あらゆることー家族との向き合い方や仕事への接し方、服装や体型にいたるまでーを、より良き方向へ改善しようとすることを放棄してしまった者たちへの表現だ。

引用元：『君がオヤジになる前に』P.2

そして彼らを「思考停止状態」と呼びます。

彼らは現状にただ不満を持ち、将来に不安を抱えながらも、それを打開しようという意志すら奮い起こせない。ただ、誰に向けるともなく不安を口にしているだけだ。それを僕は「思考停止状態」と呼ぶ。

引用元：『君がオヤジになる前に』P.2

「オヤジ化」つまり「思考停止状態」にならないように堀江さんなりの考え方を示した本になります。

・25歳から35歳までの各年代向けの提言
・38歳の堀江さん自身に向けたメッセージ
・堀江さんと福本伸行先生の対談
という構成になっています。

【君がオヤジになる前に　目次】

25歳の君へ

28歳の君へ

32歳の君へ

35歳の君へ

38歳の僕へ

対談「これから」を生きる君へ(福本伸行×堀江貴文)

各章のはじめに、堀江さんから各年代に向けたメッセージが書かれています。
キーワードだけでも色んな事を考えてしまいます。

25歳の君へ「結婚も転職も一発逆転の儀式なんかじゃない」

28歳の君へ「敵は会社でもシステムでもない。己の思考停止だ」

32歳の君へ「情報弱者が時代から振るい落とされる」

35歳の君へ「ゆとりある人生が、なぜ幸せなのだ？」

38歳の僕へ「ネガティブを突き抜けるということ」

自分で考える

堀江さんは「自分で考える事」をとても大事にしています。自分で考えず思考停止になると、一気にオヤジ化します。

自分で考え、自己否定をとことん繰り返せ
自己否定を繰り返えし、突き抜ける事で、倫理や道徳に縛られない自分の人生を歩み出せる
と述べています。確かに堀江さんは突き抜けて、自分の人生を歩んでる気がしますね。

自分を客観視し、自分をドライブするためにも、自己否定はとても大切だと思います。
人生の人生は自分でコントロールしたいし、オヤジ化しないためにも、常に自分で考えるようにしたいですね。

怒りの質と量

もう一つ紹介しておきたい内容があります。
最後に、堀江さんと福本さんとの対談があります。
この章はとても内容が濃いです。

その中で「怒りの質と量」という考え方が話題に上がっています。

福本　怒りには"質と量"が大事なんじゃないかと気づいたんです。
堀江　怒りの"質と量"…。（略）
福本　（略）本来であれば10ぐらいの怒りで抑えられるようなヘマに対して、100以上の怒りをぶつけるのはやり過ぎで…。それは避けるべき。（略）不思議なもので、怒りは過剰になると、何に対して怒っているのか、わかんなくなってきちゃう。しまいには自分にも腹が立ってきて。それは、なんか本末転倒じゃない。100以上の本気の怒りは、怒ることで問題が誠実に解決される人生の大事な場面で、ごく時々あればいい。（略）怒るというのは自分が正しいと思っているわけでしょ？それは他者に対して、ひどく傲慢なわけで。
引用元：『君がオヤジになる前に』P.179〜180

今まで特に「怒りの質と量」という考え方をした事はありませんでしたが、とても重要な観点だと思いました。

仕事で怒らなければならない(叱らなけらばならない）場面や、恋愛・子育てでも怒るべき場面はあります。この時に、決して怒るべき量と質を間違えてはいけないと思いました。

そもそも、怒ることは「手段」です。「目的」は同じような失敗やミスなどをして欲しくない、何かをやめて欲しい・変えて欲しいなどです。

怒るべき質や量を間違えると、怒ることが「目的」になりかねません。

手段と目的が逆転してしまいます。そして誰も幸せにならない。最悪ですよね。

ブチキレになった時にそ、怒りの質と量というキーワードを思い出そうと思います。

★　★　★　★　★　★

当書は、堀江さんらしい一冊でした。

思考停止してきたな・・・
オヤジ化してきたな・・・
と思い始めた人は読んでみてはいかがでしょうか。

最後の対談だけでも読む価値はあると思います。
福本伸行さんの作品が好きな人は絶対楽しめると思います。

おわり

『君がオヤジになる前に』堀江貴文著